スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

絶対加速クレッシェンドQ、
が、終わってしまいましたね。
とても寂しい気持ちです。
でも、この物語に出会えてよかったなぁと思います。

もうね、なんていうか、とても正直な作品でした。
創作というのは、どこまで自分に正直になれるか、が鍵だと思うのです。

完結後の不死鳥先生のラジオを拝聴しましたが、
3話目のミナセの「君も赤羊(レッドラム)なの?」という台詞を
言わせたいがためにこの物語が始まった、というのを聴いて
なんというか私はもう非常に感動してしまったのです。
上手く説明できないけれど、それってすごいことだと思う。
きっと作者さんにとってはこの物語はどうしたって語らなければいけない
強い動機を備えたものだったのだろうし、
だからこの長さを書ききることができたんだろうな、と。

確かに導入はちょっと読みにくい。けっこう分かりづらい。
私は1話目から読もうとして何度も断念しました。
そして実のところ一番最初に読み通したのは、
13話の「高い所から降りられないテレーゼ」でした。
理由はタイトルに強く惹かれたから。
そして「ああ、ちゃんとこの話を理解したいな」と思ったので
1話目からじっくり読み始めたのです。

正直、2話目の後半から読むのが一番いいと思います。
ナナミが転校してきた辺りから。
それ以前は後から読み返すとよーく意味が分かります。たぶん。
そして3話目の画面作りの凄まじさは、なんていうか圧倒的。

最初は細かい設定の意味をあまり深く追求せずに、
右脳で言葉をキャッチするように読むのがコツ…かな?
2週目以降にいろいろわかってじわじわ癖になってきます。

とりあえず6話目の終わりまでは読んで頂きたい!と思うのです。
そこまで読んでピンと来なかったらご縁がないのかもしれない。
好きなキャラを一人、
と言われるとすごくすごく難しくて決められない。
特に女の子達はみんなかわいくて魅力的だから。
でも私が一番引きずりこまれたのは、やっぱりナナミちゃんかなー。
きっと私が度を越したファザコンだったからなのだろうけど。
7話目の「私は…独り…」のシーンは結構本気で泣きました。

登場時のナナミはミナセ曰く、
「ココにいるのにココにいない」
「精神は他の場所から全体を俯瞰している」
「ゴーストに近い」。
傷を抱え込み手放したくないと思いながら生きていて、
協調性がなく、周囲と「アンテナがつながってない」のだと
彼女自身だって自覚している。
けれど自分の形を守るために独りで生きようとしていた彼女も
少しずつ、人と関わる強さを取り戻していくのです。
「結局、世界に対してアクションを起こしてエコーを受け取って
 自分の形を知るのが『楽』」なんだって気づいていく。

そういう諸々の過程の描き方が、
薄い膜を少しずつ重ねていくみたいに儚く、そしてとてもリアル。
それに加えてテレ子のエピソード。
この2つで一気に引き込まれちゃったのですよね。
5~8話目が本当に好きです。それ以前も以降も面白いけど。

ここからは最終話付近のネタバレになっちゃうんですけど。

赤羊であるということは、きっと、
ミナセたちにとっては不運の烙印であると同時に、
どこかで彼らのアイデンティティを支える要素でもあったと思うのです。
人間と同じ風貌を持ちながらも、特異に秀でた能力を持つ、という種族。
「どんな赤羊だって、その裏側には世界よりも重い孤独と
 古傷(トラウマ)が貼りついている」
のだけれど、きっとそこには同時に、孤独であることの優越感も含まれていて。

それをもっとも体現していたのがイザヤなんだと思います。
高すぎるプライド抱え、それに押し潰されずに高みを目指し続ける赤羊。
「下層民には生まれてきた意味というモノがないんだ。
 ただ上空を見上げて、いつ来るとも分からない飯を待っている
 哀れな動物だ!」
などと、選民意識に満ち満ちた台詞だらけ。

けれど、主人公を含めそのイザヤまでもが、魔界の赤羊であることを捨てて
ごく平凡な日常の中で生きていくことを選ぶ。
複雑で入り組んだ非日常的な設定を持つこの物語の行き着く先が、
そんなアンチ・ドラマティックにも思えるような日常性なのだということに
私は「そうか、なるほどな」と深く頷いてしまうのです。
だって私達はどこまで足を伸ばしたって、必ず日常に追いつかれる生き物なのだから。
そして、イザヤはそのことを「男の子の夢を諦める」と表現したけれど
どうか日常に還っていくこと=諦めることではなくて、
新しい可能性を探すことになってくれればいいな、と私は思うのです。
同じ日常に生きる者として。

「何かを捨てて前に進み…
 新しい世界で別の何かをぶんどる。
 そして、また捨てて前に進み…。
 それが人の生の営みか。
 成長か。代謝か。」

変化する生物としての実感を取り戻し、
「そこ」から目覚めた時、
私達は新しい世界の一部になっている。

うん、確かに、そんな生まれ変わりを体験させてくれる物語だった。
私はそう感じました。
勝手な解釈や独断が多々あるとは思うのだけれど。


っていうかそんな小難しい解釈とか抜きにしても
充分ドラマティックな面白さを備えた魅力的なお話だと思います!
私はふだんアニメをほとんど見ないのですが、
絶クレのアニメ化を切に希望する一人です!

全部はとても語りきれないけれど、
この辺りで切り上げておくことにしよう。
絶クレ読者人口がもっと増えるといいなぁ。
この文章がそれに貢献することはないと思うけど。

Trackback

Trackback URL
http://camellia999.blog84.fc2.com/tb.php/61-3894734b

Comment

Comment Form
公開設定

Proflie
  • Author:つばき
  • 新都社「文藝新都」で作品を公開してます。
    ○skype/camellia_999
    ○twitter/_cammelia
Twitter
recent entries
comment
archives
links
このブログをリンクに追加する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。